女子の7人制ラグビー日本一を決める太陽生命セブンズ(朝日新聞社など後援)は13、14の両日、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で最終第4戦・鈴鹿大会が行われる。
近年の女子ラグビーを引っ張ってきた前年覇者のアルカス熊谷は総合6位タイと苦しんでいる。五輪で7人制ラグビーが初採用された2016年リオデジャネイロ大会で、日本代表12人中8人を送り込んだ強豪。低迷の原因は複合的で、チームも選手ももがいている。
総合優勝は各大会ごとの順位に応じて加算されるポイントで争う。第1戦優勝の日体大(56点)と第2、3戦優勝の三重パールズ(52点)が競り合う一方、アルカスは22点にとどまっている。
第3戦・富士山裾野御殿場大会は初日に3戦全敗を喫した。ゲーム主将を務めた元日本代表の鈴木陽子は「初日の全敗は初めての経験。きつい時にあと一つタックルができるかどうか。若手に背中で示すことができなかった」と悔しがった。
この大会は結局9位。試合が終わると、20歳の黒川碧はむせび泣いた。立正大3年のホープは「接戦で勝てないのは、私がゴールキックを決められなかったから。経験不足を痛感した」と責任を一身に背負った。
敗因は複合的だ。海外遠征が続く日本代表勢は不在。主将の中丸彩衣ら主力にけがが相次いでいる。それに加え、27歳の田坂藍は「大会全体のレベルが上がる中で、アルカスが周りから取り残されていると感じざるを得ない」と語る。
体力強化に重点を置く分、他チームと比べて試合経験が不足しているという見方もある。早大でコーチを務めていた銘苅信吾氏をアシスタントコーチに招くなど指導に変化を加えているが、結果は伴わない。
黒川は、高校時代に「雲の上の存在」と憧れたチームを再び常勝に引き上げたいと誓う。「今のチームで勝ちたいんです」。伸びしろの多い若手たちが、敗北から何を学んだか。鈴鹿大会は、アルカスのプライドを取り戻す戦いとなる。(野村周平)