業績不振が続く大塚家具の再建の行方が、一段と不透明になっている。9月まで14カ月連続で店舗売上高が前年同月を下回る販売不振で、手元の現預金が急減。資金繰りが厳しさを増すなか、旗艦店などで最大8割引きの「在庫一掃セール」を展開中だが、大塚久美子社長の処遇を巡って身売り交渉は膠着(こうちゃく)状態が続いている模様だ。再建は時間との闘いになりつつある。
大塚家具創業者「久美子かわいそう。親って本当にバカ」
「緊急開催 在庫一掃SALE 通常販売価格より最大80%OFF」
14日午後、東京・有明本社ショールームの店頭に大幅割引セールの告知が掲げられていた。休日でも閑散とした日が多かった広い売り場は、特売に引き寄せられた客でにぎわいを取り戻していた。テーブルやソファなど30%引きや60%引きの商品が並び、80%引きの商品は売却済みの札が付いたものも。客からは「値下がりしまくってるね」とつぶやきが漏れた。
セールは全国12店で9月下旬から1カ月の予定で始めた。「在庫品や店頭展示品の入れ替えのため」(広報)と狙いを説明しているが、業界関係者によると8割引きは原価を割るほどの水準という。2015年末に109億円あった現預金は、18年6月末に22億円と急激に減っており、出血覚悟のセールを打ってでも、資金繰りを優先せざるをえない事情が透けて見える。
金融機関などの保有株式の一部…