ドイツのメルケル政権の支持基盤が揺らいでいる。牙城(がじょう)だった南部バイエルン州の州議会選挙で14日、メルケル氏が率いる政党の姉妹政党が、68年ぶりの低い得票率に沈んだ。全国の政党支持率でも、与党は落ち込む一方だ。背景には何があるのか、ケルン大教授(政治学)のクリストフ・ブッターウェッゲさんに聞いた。
独バイエルン州で与党大敗 難民巡る「決断」で苦境続く
欧州に広がる中道政党の落ち込み 独の与党、歴史的大敗
右翼勢力が台頭するにあたって、移民や難民の問題が大きな役割を果たすのは確かだ。しかし、その前提として、社会の中に大きな分裂があることを忘れてはならない。新自由主義的な経済手法により、社会は豊かな層と貧しい層に分かれた。ドイツでも、社会民主党が手がけた労働市場改革で同じ現象が生じた。
他の欧州諸国に比べて、ドイツ…