英国の欧州連合(EU)からの離脱が来年3月に迫る中、ロンドンで20日、EU離脱の是非を問う国民投票の再実施を求める大規模なデモが開かれた。主催した市民団体によると、推定で約70万人が参加した。
デモ後の集会にはサディク・カーン・ロンドン市長やEU離脱に反対する国会議員らが出席。カーン市長は「(離脱交渉で)政府は国の利益より政党間の駆け引きを重視している。この重要な問題を政治家の手から取り戻す時だ」などと述べ、再投票で国民に問うように求めた。
2016年6月のEU離脱をめぐる国民投票では離脱(51・9%)が残留(48・1%)を小差で上回った。デモに参加した映画製作会社で働くジョージ・ムーアさん(21)は「離脱派の政治家は当時、離脱すれば経済はよくなるなどと言っていたが、現状は混乱が予想されて全く違う。今の状況を踏まえて再度、国民に問うべきだ」と話した。
ただ、メイ首相は国民投票で示された離脱の民意を尊重するとして、再投票の実施を否定している。(ロンドン=寺西和男)