暴力団の資金源にもなっているとされる水産物の密漁を抑えるため、水産庁は26日、漁業法の罰金を最高200万円から3千万円に引き上げる方針を示した。政府が進める水産改革の一環として、開会中の臨時国会での法改正をめざす。
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自民党の会合で示された漁業法改正案の骨子では、密漁の対象になりやすいナマコなどを「特定水産動植物」に指定し、違法に捕ったり密漁品を譲り受けたりした場合の罰則を3年以下の懲役か3千万円以下の罰金にする。
今の漁業法の罰則は、懲役3年以下、罰金200万円以下が最高。高価なナマコやアワビなどの密漁は「捕り得になる」との指摘も出ていた。
水産庁によると、かつての密漁は漁業者が許されていない捕り方をするなどの例が多かった。だが、漁業者以外による密漁が20年で3倍超に増え、2016年の海での密漁計1531件のうち8割近くを占めた。(山村哲史)