ドイツのメルケル首相(64)は29日、与党キリスト教民主同盟(CDU)の党首を辞任すると表明した。12月の党大会で党首選への立候補を断念する。今月14日と28日の二つの州議会選挙で歴史的な大敗を喫し、党人事の刷新が不可欠と判断した。首相職は2021年秋の任期まで続ける意向だが、国内外での指導力の低下は必至だ。
メルケル氏は29日の記者会見で「新たな一章を開く時がきている」と話し、党首辞任を表明。21年の任期終了後は、政治の舞台から身を引く意向も示した。
メルケル氏は15年、シリアなどから欧州に押し寄せる難民の受け入れを決め、100万人以上が入国した。だが、これに反発する声が強まり、17年秋の総選挙では第1党の座を維持したものの、連立相手の社会民主党(SPD)とともに大きく議席を減らした。代わって、難民排斥を掲げる新興右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭を招いた。
その後も党勢は回復できず、今…