上院と下院がねじれる結果になった米国の中間選挙について、ロシア外務省のザハロワ報道官が7日、自身のフェイスブックで「ロシアのハッカーの仕業か」と皮肉った。
ザハロワ氏は「国民の意思表示の結果を米国の政治家はどう説明するのだろうか?」と問題提起。想定される答えとして、「全てはロシアのハッカーの仕業」「選挙にロシアのハッカーは介入しなかった」の2種類が考えられるとした。
前者は、両党が「結果を敗北だ」ととらえる場合。ロシアのせいで上下両院の過半を取れなかったと言い訳をするため、両党とも「(ハッカーが介入しなければ)我が党が上下両院で多数を占めていた」と言うはずだ、とした。
後者は、両党が結果を肯定的にとらえる場合。共和党は「介入しないよう我々がロシアに要求した」ため上院で過半数を維持できたと言える。一方の民主党も「我々が共和党に圧力を加え」て介入させないようにしたため下院で過半数が取れたと言える、とした。
米国は、ロシアがSNSを通じた偽ニュースの拡散やハッカーによる選挙システムへの侵入などを通じ、2016年の大統領選に介入したと非難してきた。今回の中間選挙で、ロシアのハッカーが暗躍したとの報道などは、いまのところ見当たらない。
それでも上下両院がねじれたことで、ザハロワ氏は「まさか、巧妙なロシアのハッカーの仕業?」と結び、米国を当てこすった。(モスクワ=石橋亮介)