ロシアの反体制派指導者のアレクセイ・ナバリヌイ氏が13日、モスクワの空港から仏ストラスブールの欧州人権裁判所に向かおうとしたところ、ロシア当局に出国を禁止された。ナバリヌイ氏が同日、自身のウェブサイトで発表した。同氏は無許可のデモの呼びかけなどでたびたび警察に拘束されており、今回の出国は同裁判所の見解を聞くことが目的だったため、当局が妨害した可能性がある。
ロシアのインタファクス通信によると、司法当局はナバリヌイ氏の出国を禁止した理由について、裁判所が今月9日、同氏に国営企業への約200万ルーブル(約340万円)の損害賠償金支払いを命じる判決を出したにもかかわらず、「支払われていないため」と説明した。
これに対し、ナバリヌイ氏は自身のサイトで「損害賠償金は既に払った」と訴え、払ったことを示すレシートも公開。「クレムリン(ロシア政府)とロシア法務省は(欧州人権裁判所からロシアに都合の悪い)判断が下されないよう焦っているのだ」と主張した。また、「明日にも出国できるようになるはずだ」と記し、再度、欧州人権裁判所へ向けて出国する意向を示した。(モスクワ=石橋亮介)