10日の東京株式市場は、日経平均株価が一時500円超下げるなど、荒れた展開となった。歩み寄りが期待された米中貿易摩擦の再燃に失望が広がった。
日経平均の午後の終値は、前週末より459円18銭(2・12%)安い2万1219円50銭で、2営業日ぶりの下落となった。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は30・64ポイント(1・89%)低い1589・81だった。
大幅な株安は、7日の米ニューヨーク株式市場で、大企業でつくるダウ工業株平均が大きく下落したことを受けた。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の幹部が米国の依頼を受けたカナダ当局に逮捕されるなど、貿易摩擦が続く米中の関係修復が簡単でないことが改めて意識された。
SMBC日興証券の太田千尋氏は「アジア市場も全面安で、東京市場はほぼ全面安だった」と話した。(榊原謙)