英国のメイ首相は11日、欧州連合(EU)の首脳らと相次いで緊急会談をした。EU離脱の条件を定めた協定案が、英議会で承認される見通しが立たないため、解決策を協議したとみられる。EU側は協力する姿勢を示したものの協定案の修正には否定的で、打開できていない模様だ。
EU「再交渉しない」英ポンドは急落 離脱案採決延期で
EUのトゥスク首脳会議常任議長(大統領に相当)はメイ氏との会談後、「明らかなのはメイ首相を助けたいということ。問題はその方法だ」とツイートした。メイ氏はこの日、ドイツのメルケル首相、オランダのルッテ首相、EUのユンケル欧州委員長(首相に相当)とも立て続けに会談。EU側に譲歩を求めたとみられる。
最大の問題は、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間の国境をどう管理するかだ。協定案は、人や物が両地域を自由に移動できる方法が見つからない場合、「非常措置」として英国全体がEUの関税ルールに従い続けると規定する。そのため英国内では「EUの属国になる」との批判が起き、協定案の発効に必要な英議会での11日の採決も延期された。
メイ氏は、非常措置の適用を限…