フランス東部ストラスブールの中心部で11日午後8時(日本時間12日午前4時)ごろ、クリスマス市の会場付近で銃の乱射事件が起き、12日未明に記者会見したカスタネール内務相によると3人が死亡、12人が負傷した。うち6人が重体という。犯人は当局と2回銃撃戦になった後に逃走した。当局がテロ事件として捜査し、男の行方を追っている。
AFP通信などによると、容疑者は当局によって地元出身の29歳のフランス人の男と特定された。イスラム過激派の思想に染まっているとして要注意人物リストに載っていたという。 カスタネール氏によると、男は過去にテロ以外の罪をフランスとドイツで犯し、服役した経験があるという。現場はドイツに近く、国境の検問を実施することも明らかにした。
仏メディアによると、事件当日の11日朝、当局が男を拘束しようと自宅を家宅捜索すると、手投げ弾などが見つかったが、男は不在だったという。事件現場付近にいた女性は仏メディアに「銃声が聞こえ、大勢の人が逃げ惑っていた」と語った。
ストラスブールがあるアルザス地方はクリスマス市で有名で、国内外から多くの観光客が訪れる。
マクロン大統領は12日未明、フィリップ首相や関係閣僚を内務省に集め、事件対応に当たった。政府は付近の住民に自宅から出ないよう呼びかけている。
2016年12月には、ベルリン中心部のクリスマス市に、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓った男が運転する大型トラックが突っ込み、12人が死亡した事件が起きた。(パリ=疋田多揚)