ラグビーの第55回全国大学選手権は22日、準々決勝が東京・秩父宮などであり、早大は終了間際の逆転トライで慶大を20―19と振りきって5大会ぶりの準決勝進出を決めた。10連覇をめざす帝京大は流通経大に45―0で快勝、前回準優勝の明大は東海大に18―15と競り勝った。関西勢で唯一残る天理大も大東大を30―17と下した。来年1月2日の準決勝は明大―早大、帝京大―天理大の組み合わせとなった。
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40分で終わるはずの後半は44分に差しかかっていた。早慶戦。4点を追う早大、最後のプレーで仕掛けた連続攻撃は途切れない。慶大ゴール前に迫る。
左WTBの佐々木は、人知れず右の大外に移動していた。「前が空いているのがわかったから」。パスを呼び込み、ゴール右隅へ。「僕が落球したり外に追い出されたりしたら4年間が終わってしまう。絶対にトライを取りきろうと」
この佐々木、関東対抗戦では慶大戦も明大戦も途中出場だった。立場は控えの4年生。
なぜ、相良監督は大一番で彼を…