27日のニューヨーク株式市場は、大企業でつくるダウ工業株平均が続伸し、前日比260・37ドル(1・14%)高い2万3138・82ドルで終えた。一時は前日比で610ドル超も下落する場面があったが、取引終了にかけて急速に値を戻した。投資家心理が不安定なうえ、年末で市場参加者が少ないこともあり、値動きが荒くなっている。
ダウ平均は前日に史上初の1千ドル超の急騰を記録し、その反動で27日の取引は全面安で開始。トランプ政権が米国企業に対し、中国の華為技術(ファーウェイ)などの通信機器の使用を事実上禁じる大統領令を検討していると伝わり、米中摩擦の激化への懸念が相場の重しになった。
ただ、割安な銘柄を中心に買い戻しも出て、終盤の1時間半ほどでダウ平均は約870ドル分も急上昇。この日の最高値圏で引けた。
ハイテク株の多いナスダック市場の総合指数も続伸し、終値は前日比25・13ポイント(0・38%)高い6579・49。
米連邦政府の一部閉鎖や米中摩擦、米利上げの行方など、市場の先行きをめぐる不透明感は強いままで、米株式相場は当面は不安定な展開が続きそうだ。(ニューヨーク=江渕崇)