フランスのマクロン大統領は13日、政府の燃料税引き上げ方針をきっかけに全土に広がっているジレジョーヌ(黄色いベスト)運動をめぐり、仏国民への「手紙」を発表した。税金の負担感や使い道に不満が高まっていることについて、「国民の怒りを解決策に変えたい」として、ともに答えを探ろうと呼びかけた。
怒る地方「辞任か革命か」 仏大統領悩ます黄色いベスト
長引くデモの収束をめざし、政府は国民の声を聞く場として対話集会を2カ月かけて開くことを約束。手紙は、15日から集会が始まるのを前に発表された。
マクロン氏は「私は税金が高すぎることや公共サービスが身近にないことなどで不満があることを理解している」と訴え、集会で税制や公共サービスに加え、移民や環境問題など社会問題全般を取り上げる考えを示した。「フランスは社会的不公平にはどの国よりも敏感で、連帯の要請はどこよりも強い」と和解を訴えた。
ただ、ジレジョーヌ運動の参加者の一部は対話集会について、「政府が議論の枠組みを決めている」などと反発している。(パリ=疋田多揚)