3月末に欧州連合(EU)から離脱する英国の議会下院で15日、円滑な離脱に向けたEUとの協定案が採決される。離脱による混乱を避けられるかどうかの瀬戸際だが、大差での否決は避けられない情勢。出口の見えない政治の混迷に、市民は不安や困惑を強めている。(ロンドン=下司佳代子)
英首相、賭けでも劣勢 EU離脱協定案「否決」が大本命
ベイビー、離れないで…歌って英EU残留、バンドが話題
「ただの趣味だったが、今は必要に迫られてやっている」
英東部の町コルチェスター。不動産業を営むポール・ワグランドさん(40)とジェニン・マクアンドリューさんは自宅の庭で鶏を飼い、野菜を育てる。庭の隅々まで使ってできるだけ多くの作物を育てるため、数カ月前から庭の手入れにも本腰を入れた。離脱の混迷が深まるにつれ、物流の停滞による食料品の品薄や物価の高騰など、何らかの混乱は不可避だと考えるようになったからだ。
燃料の不足や高騰を想定し、地…