英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、離脱派の一部に攻撃的な言動が目立っている。12日には、残留派の与党議員に暴言を吐いた男が公共の秩序を乱した疑いで逮捕された。英国ではEU離脱をめぐる賛否両派の対立が激しくなっており、残留派議員が極右に射殺された2016年の国民投票前のようだと危惧する声も出ている。
薬や食料なくなる?英国民に不安、EU離脱案は否決濃厚
英メディアによると、逮捕された男は英議会近くで7日、テレビの取材を受けている与党・保守党のスーブリー議員に対し、「ナチス」「ファシスト」などの罵声を浴びせた。男は英議会前で活動する離脱派グループのリーダー格。フランス政府の燃料税引き上げ方針に抗議して広がった、ジレジョーヌ(黄色いベスト)運動の参加者と同じ黄色いベストを着ていた。
スーブリー氏はEU残留を支持し、国民投票の再実施を求める政治家の中心的人物だ。スーブリー氏は「その場で警官は何の対応もしなかった」と批判。これに賛同する与野党100人以上の国会議員が、議員やジャーナリストへの暴言に対応するようロンドン警視庁に申し入れた。
男はソーシャルメディアで「イスラム教徒が存在するところでは殺人やレイプが起きる」などと差別的な投稿をし、移民・難民に多いイスラム教徒への敵意を示したこともあった。
ロンドン警視庁は12日昼ごろ…