3月29日に欧州連合(EU)から離脱する予定の英国の議会下院(定数650)で15日夜(日本時間16日早朝)、メイ政権がEUと合意した離脱協定案の採決があり、賛成202、反対432の反対多数で否決された。メイ首相は21日までに議会に代替案を示す。政権も議会の多数派も「合意なし離脱」による混乱は避けたい意向だが、打開策は見えず、先行きは一段と不透明になった。
離脱・残留両派が歓迎、皮肉な「否決」 英の離脱協定案
英議会、EU離脱協定案を否決 反対432・賛成202
採決では、与党・保守党からも118人という大量の造反者が出た。英メディアによると、230という大差での否決は、歴代の政権が提出した議案の採決の中で負け幅が最大という。
協定案は、3月末の離脱から2020年末までを激変緩和のための「移行期間」とすることや、在英・在EUの双方の市民が引き続き社会保障を受給する権利を認めることなどを定めたもの。円滑な離脱には欠かせず、3月末までに英・EU双方の議会が承認手続きを終えなければ、「合意なし離脱」となる。
この場合、英国とEUの間を結…