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英国の欧州連合(EU)からの離脱期限まであと70日足らず。メイ英首相がEUと結んだ離脱協定案に対し、英議会が示した判断は大差の否決だった。残留と離脱をめぐる民意の亀裂が広がるなか、離脱の行方は迷走し、欧州や世界経済の混乱が現実味を帯びる。
竹森俊平・慶大経済学部教授「アウトサイダーの横行を招く」
英国のEU離脱の条件を定めた協定案について、英議会が承認を拒んだことで、英国はもとより、欧州経済、さらには貿易で成り立つ日本を含めた世界各国に悪影響が出ることは避けられません。
現時点でダメージの全体像を見通すことは容易ではありません。ただ、ノーを投じた議員には、これで再度国民投票に持ち込み、離脱自体を回避できると考える者も多いようですが、現状では困難です。無条件の離脱という最悪のシナリオの可能性が高くなったことは否定できないでしょう。
竹森俊平さん=駒野剛撮影
食料や医薬品など、人の生存に関わる産品については、税関がなくても、暫定的に輸出が認められる可能性もありますが、あくまでも緊急措置です。
また、合意作りで全力を注いできたメイ首相の政策が否定されたことで、次に誰が合意をEUと結ぼうとするのかも闇の中です。
しかし外国の資金を経済の基盤…