財務省が7年ぶりに、幹部候補のキャリア職員を中途採用する。昨年の森友学園の公文書改ざん問題や事務次官のセクハラ問題を受けた組織改革の一環。組織の論理を優先する体質が批判されたことから、「外部の視点」を入れることにしたという。
中途採用するのは、民間金融機関出身の30代前半の男性1人で、4月から係長級の職員として働く。2020年度以降も中途採用を続ける予定で、主に5年前後の社会人経験を持つ民間企業出身者を係長級職員として採用するという。同省の中途採用者は最近では3人だけで、11年度に男性2人、12年度に男性1人を中途採用した後は途絶えていた。
一連の不祥事が発覚した後、「世間の常識からかけ離れている」などの批判が相次いだことを受け、民間の経験を持つ人材を増やすことにした。ただ、同省のキャリア職員は約650人もいる。組織風土の改革には時間がかかりそうだ。(笹井継夫)