ロシアのプーチン大統領は20日、モスクワでの年次教書演説で、中距離核戦力(INF)全廃条約を巡り対立を深める米国に対し、米国本土を標的とするミサイルを配備する可能性もあると警告した。一方で、年金制度の変更などで下がったままの支持率を意識してか、演説の多くを貧困対策や子育て支援などに割き、国民に寄り添う姿勢を前面に出した。
プーチン氏は演説の外交部分で、米国が離脱を通告したINF全廃条約に言及した。条約で禁止されたミサイルがロシアにとって脅威となる欧州に配備された場合には、ミサイルの発射基地だけでなく、「ミサイルの使用を決定する中心地」にも対抗せざるを得ないと指摘した。新型の極超音速ミサイルなどで米国本土を狙う考えを示し、欧州へのミサイル配備を牽制(けんせい)。改めて米国への強硬姿勢をあらわにした。
今後の対話の可能性については「米国との対等で友好的な関係を望む」とする一方で、「米国が閉じた扉をこれ以上ノックするつもりはない。相手が対話の必要性に気づくのを待とう」と話し、状況の打開は米国の出方次第だと主張した。
他の外交問題では、国連や主要…