氷菓「あずきバー」や肉まんなどで知られる井村屋グループ(津市)。2000年に入社した北友紀さん(37)はかつて総務・人事部で仕事をしていたころ、モヤモヤしていた。
国際女性デー インタビュー特集はこちら
「この違いはなんなんだろう……」
当時、井村屋の社員は「一般職」「エリア総合職」「総合職」と三つの職種に分けられていた。給与体系や昇進のスピード、さらには「出世の限界」まで職種で異なっていた。
一般職にはおもに地元の高卒女性が就き、課長代理にもなれないのが通例だった。エリア総合職はおもに工場勤務の男性で、役員にはなれないとされてきた。昇進の階段を最後までのぼりきることができたのは事実上、大卒の総合職だけだった。
高卒の北さんは当時、一般職で、給与に関する仕事を担当していた。見渡しても、職種によって仕事にそこまでの違いがあるようには思えなかった。たしかに一般職に転勤はない。でも、総合職の中にも「介護がある」などの理由で転勤できない人が増え、矛盾が生じていたという。
そんなとき、職種の区分をなくそうと音頭を取った女性がいた。
「一般職にもエリア総合職にも力がある人は多い。昇進の道がないのはおかしい」
当時常務だった中島伸子さん(66)だ。
中島さんは福井県で井村屋のア…