日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の3社は12日、3社連合を統括し、提携を強化するための新組織「アライアンス オペレーティング ボード」を設立すると発表した。3社の首脳らが午後4時半から横浜市の日産本社で共同記者会見を開いて説明した。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
新組織は、ルノーのジャンドミニク・スナール会長とティエリー・ボロレCEO(最高経営責任者)、日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEO、三菱自の益子修会長兼CEOがメンバーとなり、スナール氏が議長を務める。新機関の協議は毎月、パリか東京で開催される予定だ。
記者会見には、新組織のメンバーとなる3社の首脳4人が臨んだ。日産前会長のカルロス・ゴーン被告が昨年11月に逮捕されて以降、3社の首脳がそろって会見するのは初めて。スナール氏は新組織について「アライアンス(連合)の再スタートと言える」と強調。西川氏も「アライアンスにとって大きな新しいステップ」になると述べ、「ゴーン後」の3社連合の統治体制をアピールした。
新組織の設立に伴い、オランダにある統括会社「ルノー・日産BV」と「日産・三菱BV」は機能を停止させる方針。ゴーン前会長が日産・三菱BVから非公開の報酬約10億円を受け取っていたことが判明するなど、二つの統括会社をめぐる不透明な資金の流れが問題視されていた。
会見に先立ち、3社は11日、アライアンスの「新たなスタート」に向けた9項目の覚書を結び、「ルノーの会長が日産の取締役会副議長に適した候補者であると想定される」と明記した。スナール氏は会見で後任の日産会長選びに触れ、「私は日産の会長になろうと思っていない。副議長には適していると思う」と述べた。
スナール氏は4月8日に予定される日産の臨時株主総会で日産の取締役に選任される見通し。「日産の新しいガバナンス(企業統治)を尊重する。数週間後に日産の取締役になることを光栄に思う」とも語った。(木村聡史、栗林史子)