日産自動車は8日、東京都内で臨時株主総会を開き、カルロス・ゴーン前会長(65)とグレッグ・ケリー前代表取締役(62)を取締役から解任し、仏ルノーのジャンドミニク・スナール会長(66)を取締役に選任する人事案を諮った。いずれも賛成多数で可決された。日産は20年にわたって君臨したゴーン前会長と完全に決別する。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)は総会の冒頭、「大変なご心配とご迷惑をおかけして深くおわびを申し上げたい」と述べ、壇上の役員らとともに頭を下げた。会場の株主からは「(ゴーン前会長の)不正で株主の利益が損なわれた」「現経営陣にも大きな社会的・道義的責任がある。総退陣すべきだ」などと厳しい声があがった。
日産は昨年11月、ゴーン前会長が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕された3日後に臨時取締役会を開き、ゴーン前会長の会長職を解任して代表権を外すことを全会一致で決定。ケリー前代表取締役の代表権を外すことも決めていた。
だが、取締役の解任には株主総会での決議が必要なため、6月の定時株主総会の前に臨時株主総会を開いて2人の取締役解任を提案した。この人事案が可決され、2人は日産での役職をすべて外れ、「完全追放」されることになった。
一方、スナール氏をルノーから…