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祇園の火災、なお鎮火できず 祇園小唄作詞の舞台も全焼

京都市東山区の花街・祇園で8日夜に発生した火災は9日午後1時時点でも鎮火しておらず、消火活動が続いている。市消防局によると、女性店主が119番通報した日本料理店が入る建物が特に強く燃えているといい、府警と合同で実況見分をして出火原因を調べている。焼失したのは木造2~3階建ての5棟の延べ約620平方メートル。うち日本料理店と老舗茶屋の2棟は全焼した。


京都・祇園で火災、周辺の店の客ら避難 現場は騒然


現場は、お茶屋や料亭の京町家が並ぶ人気の観光スポット「花見小路通」沿いで、出火当時は避難した客で一帯は騒然とした。


この火災で、創業100年を超える木造2階建てのお茶屋「吉うた」は、延べ約200平方メートルが全焼した。作家の長田幹彦(1887~1964)が昭和初期に吉うたに滞在中、「祇園小唄」を作詞したことでも知られる。


「祇園小唄」は京都の四季や花街の情緒をうたった昭和の名曲。東山区の円山公園には歌碑があり、毎年秋に花街関係者らが集まって「祇園小唄祭」が開かれている。


「吉うた」の女将(おかみ)と60年来の知り合いという喫茶店経営の男性(75)は「歴史あるお茶屋がまさか焼けるなんて」と残念がった。


屋根裏の約20平方メートルが焼けた木造2階建て住宅の住人男性(81)は「食事をしていたらサイレンが聞こえて外に出た。しばらくしたらものすごい煙で花見小路通の一帯が見えなくなり、その後に炎が上がった。困ったことになった」と話した。建物の密集地区で、すぐに炎が広がり延焼したという。


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