大阪府知事と大阪市長の辞職表明に伴うダブル選で、大阪市長選が24日告示された。自民党が推薦する無所属新顔で元自民大阪市議の柳本顕(あきら)氏(45)と、地域政党「大阪維新の会」公認で元大阪府知事の新顔、松井一郎氏(55)=同党代表=の2人が立候補を届け出た。
出直しダブル選・住民投票…大阪都構想の行方は
21日に告示された知事選とともにダブル選の最大の争点は、大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編する「大阪都構想」の是非になりそうだ。知事選・市長選ともに、維新と「反維新」が全面対決する構図になった。いずれも投開票は統一地方選と同日の4月7日。
柳本氏は、自民が擁立。15年に続いて2度目となる市長選では反都構想を打ち出す。知事選に立候補した小西禎一・元府副知事(64)とともに、自民や公明党府本部から推薦を受けて選挙を戦う。両氏に対しては、国民民主党府連が支持、立憲民主党府連が自主支援、共産党は自主的支援、連合大阪も推薦を決めている。
松井氏は市長選に立候補したため、知事職は自動失職した。市長選では都構想推進を改めて訴え、理解を呼びかける。知事選に立候補した吉村洋文・元大阪市長(43)=維新政調会長=と連携し、選挙を戦う方針だ。両氏は、大阪府と大阪市のトップとして一体で進めてきた行政改革の実績などを前面に打ち出していく構えだ。
ダブル選をめぐっては、都構想の是非を問う住民投票の実施時期について維新と公明の交渉が決裂。知事と市長が任期途中で辞職し、それぞれのポストを入れ替えて立候補する異例の「クロス選」になった。