英国が欧州連合(EU)から抜ける条件を定めた離脱協定案が29日、英議会下院での3回目の採決でも否決されたのを受け、EUの欧州委員会は声明を出し、「『合意なき離脱』は今や起こりうるシナリオだ」と警告した。メイ英首相は「別の方法で合意しなければならない」と述べ、EUとの合意がないまま離脱して社会に混乱をもたらすのを避けるため、対応策を検討する構えだ。
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英離脱案、3回目も否決 メイ首相「限界達しつつある」
今回の否決で、離脱予定日は4月12日となった。「合意なき離脱」を避けるには、何らかの離脱方針をEU側に申し入れる必要があり、長期延期は避けられないとの見方が出ている。
英国と地続きの国境があるアイルランドのバラッカー首相は「我々は長期の離脱延期も受け入れるべきだ」と話した。4月10日に開かれる緊急のEU首脳会議を前に、フランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相と会い、対応を話し合うという。
一方で英下院は今後、行き詰ま…