(30日、選抜高校野球 智弁和歌山5―2啓新)
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鍛えられた守備。豪打だけではなく、智弁和歌山にはもう一つの「伝統」が息づいている。
雨でぬかるみ、バウンドが殺されるグラウンドで、失策はわずか一つ。打球の捕球ミスは皆無だった。
遊撃手・西川のプレーが象徴的。自らの適時二塁打で先制した直後の一回。1死。中前へ抜けそうな安打性の打球に対し、「追いつけば何とかなる。練習通り」。守備範囲の広さを生かして追いつくと、回転しながら一塁へ送球し、アウトに。ピンチの芽を摘み、先発の池田陽を乗せた。
黒川と西川の二遊間が仕留めたゴロは、遊―二―一の1併殺を含めて八つ。チームは、2人のもとへ打球が飛ぶと安心感があったという。
甲子園歴代最多勝を誇る高嶋仁前監督のノックを受けた最後の2、3年生。前回大会は決勝で2失策し、大阪桐蔭に敗れた。その雪辱をしようと、西川は「悔しい思いをしたので結果を残したい」と春の王者を目指している。