ロシア外務省のザハロワ報道官は4日、2020年度からの日本の小学校の教科書に北方領土が「固有の領土」と記されることについて、「平和条約問題に関する日本政府の新たなプロパガンダだ」などと非難し、今後の日ロ交渉に影響するとの考えを示した。
モスクワで開かれた定例の記者会見で述べた。ザハロワ氏は、新たな教科書の北方領土に関する記述について「『日本に古来帰属する』というばかげた表現が使われている」などと主張。「一般的に認められている第2次大戦の結果の認識と真っ向から矛盾する」「日ロ首脳間の相互の信頼関係に真っ向から反している」などと非難した。
さらに、「日本の子どもは、誰が広島と長崎に原爆を落としたのかを知らない」と主張し、教科書には「(原爆投下に関する)広島と長崎の記述を増やすべきだ」と持論を述べた。(モスクワ=石橋亮介)