「牝馬(ひんば)の時代」の先駆者ウオッカが死んだ。
2007年のダービーは衝撃的だった。桁違いのラストスパートで2着に3馬身差をつける完勝。牝馬がダービーを制するのは戦後初で、クリフジ以来64年ぶりという快挙だった。その後も安田記念(2勝)、天皇賞・秋、ジャパンカップと牡馬(ぼば)を向こうに回して、最高峰のGⅠレースで勝ち星を加えた。
こんな牝馬は二度と見られないだろうと思っていたら、ウオッカの出現以降、強豪牝馬が次々と現れた。ブエナビスタ、ジェンティルドンナが中央競馬の年度代表馬に選ばれ、昨年はアーモンドアイが276票の満票で続いた。
牝馬は牡馬に比べ、繊細で、環…