火災で大きな被害を受けたパリ・ノートルダム大聖堂は、エッフェル塔などを含む「パリのセーヌ河岸」という世界遺産の構成資産の一つとしてユネスコに登録されている。世界遺産総合研究所の古田陽久所長によると、世界遺産をめぐる火災は、珍しいものではないという。
【写真】ノートルダム大聖堂の尖塔(せんとう)部分が炎と煙にのみ込まれながら崩れ落ちる瞬間をとらえた
昨年は、文化遺産の中国チベット自治区のトゥルナン寺(通称ジョカン寺、中国名・大昭寺)で、今年2月には自然遺産のケニア山国立公園で大規模な火災が発生している。「金閣寺炎上などの例を引くまでもなく、歴史的建造物の焼損は宿命」と古田所長は話す。
日本では、国指定の国宝や重要…