日本ラグビー協会の名誉会長を退任した森喜朗・元首相が19日、朝日新聞などの取材に応じ、辞めた意図について、自ら身を引くことで組織の若返りを進め、岡村正会長(80)らも6月の任期限りで辞任するように促したと明らかにした。次期会長を選ぶ際は学閥にとらわれず、外部の人材も候補に入れるべきだと語った。
森氏は17日の理事会後、「(今秋の)ワールドカップ(W杯)日本大会後に2002年サッカーW杯の時のようなレガシーを残す議論を協会がしているように思えない」「W杯後の日本代表強化やトップリーグの姿が見えない」「W杯の準備を組織委員会任せにしていないか」などと執行部に訴え、「皆の悲願のW杯なのに、この体たらくだ」と切り捨てたという。
「自分が先に辞めれば、岡村さんたちも任期で引くことを考える」と森氏。「やるべきことをやるなら(岡村会長は)続ければいいし、できないなら辞めればいい。決めるのは協会だ。何個か球を投げたけど、空砲になるかもしれない」とも語った。また、次期会長を選ぶ場合は「(自身の出身である)早大出身はよくない。日本バスケットボール協会の会長はバレーの三屋(裕子)さんがよくやっている。組織がしっかりするなら、外部の人間でもいいんだ」と述べた。(野村周平)