ロシアのプーチン大統領は24日、親ロシア派武装組織が占拠するウクライナ東部地域の住民にロシア国籍を付与することを認める大統領令に署名した。ロシアは同地域について親ロシア派が主張する国としての独立は認めず、紛争を「ウクライナ国内の問題」としてきたが、住民をロシア国民と認めることで近く発足するウクライナの新政権を揺さぶる狙いとみられる。
ウクライナのポロシェンコ大統領は「主権に対する重大な侵害だ」と強く反発。同国の国連代表部はロシアによる自国民への国籍付与が国連憲章に違反するとして国連安保理の緊急会合を求めたことを明らかにした。
ウクライナでは2014年に市民の抗議で親ロシア路線の政権が崩壊、反発したロシアが南部クリミア半島を併合した。さらに東部でもロシアへの編入を求める武装組織が一部地域を占拠し、「ドネツク人民共和国」などと自称。ウクライナ軍との武力衝突が始まった。翌15年2月にはウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの首脳が停戦に合意したが、現在も散発的な衝突が続く。
ロシア内務省によると、24日の大統領令は国籍付与を「人道目的」とし、取得希望者にはウクライナ国籍の放棄は求めず、審査を簡略化するとしている。
プーチン氏はウクライナの現政…