スペインの総選挙(下院定数350)は28日に投票があり、即日開票された。開票率99・9%時点で、福祉国家の再建を掲げたサンチェス首相率いる与党・社会労働党(中道左派)が123議席を獲得し、第1党の座を確保した。
不法移民の排除やカタルーニャ州の独立に強硬な反対姿勢を取る新興右翼政党ボックス(VOX)は、24議席を得て、2013年の結党以来初の国会進出を果たした。
社会労働党と競ってきた2大政党のひとつ、野党・国民党(中道右派)は66議席で、134議席から大きく後退する惨敗を喫した。
サンチェス首相は28日夜、党本部で「社会労働党とともに、我々の未来も勝利した」と宣言。だが、左派ポデモスの議席35をあわせても、過半数の176に届かない。どういう政党と連立を組んで政権樹立をめざすのかが今後の焦点になる。
スペイン総選挙は、5月下旬の欧州議会選の行方を占うものとしても注目された。極右とも呼ばれるVOXが初議席を得たことで、欧州での右翼ポピュリズムの広がりが改めて浮き彫りになった。(マドリード=疋田多揚)