9日のニューヨーク株式市場は、米中の高官級通商協議への警戒感から、大企業でつくるダウ工業株平均が反落し、前日比138・97ドル(0・54%)安い2万5828・36ドルで終えた。
米中協議は9、10の両日、ワシントンで再開する。米トランプ政権が10日からの対中関税引き上げを公表し、中国も報復する姿勢を示すなか、9日の取引は交渉決裂を懸念する見方から幅広い銘柄で売りが先行。ダウ平均は、前日からの下げ幅が450ドルに迫る場面があった。
ただ、午後に入り、トランプ氏が中国の習近平(シーチンピン)国家主席から「美しい手紙」を受け取ったと明らかにするとともに、習氏との電話会談の可能性にも言及。投資家の警戒感がやや和らぎ、ダウ平均は下げ幅を縮めた。
ハイテク株が多いナスダック市場の総合指数も下落。前日比32・73ポイント(0・41%)低い7910・59で引けた。(ニューヨーク=江渕崇)