欧州連合(EU)に懐疑的な右派政党の結集を呼びかけていたイタリアの与党「同盟」は、投票が締め切られた26日午後11時(日本時間27日午前6時)に発表された国営放送RAIの得票率予想で、27~31%の票を獲得する見通しとなった。前回2014年の6・2%を大きく上回るのは確実で、政党別で最大となる。
欧州議会選、中道左右両派が過半数割れか 懐疑派が伸長
欧州議会選、なぜ重要? 今すぐ使える知識オールまとめ
「同盟」党首のサルビーニ副首相は27日、「欧州の規則や拘束は変わらなければならない。我々の敵は左派だ。市民の労働や尊厳、安全を守る、欧州の新たなルネサンスが誕生した」と述べた。同氏は、フランスで躍進した右派政党「国民連合(RN)」を率いるルペン党首と連携していくことを確認しており、欧州議会でEU懐疑派の両党が、一定の勢力を持つ存在となりそうだ。
一方で、同盟が連立政権を組む「五つ星運動」の予想得票率は18・5~22・5%となった。同党は昨年の総選挙で約33%を得票し、政党別で第1党となったが、連立政権入りした後は、社会保障政策や汚職疑惑の対応などをめぐって同盟との対立が表面化。「反既得権益」を掲げたものの目立った政策を打ち出せず、支持離れが進んだ。(ローマ=河原田慎一)