欧州連合(EU)の欧州議会選で、ギリシャの与党「急進左翼進歩連合(シリザ)」が野党第1党の「新民主主義党(ND)」に敗れる見込みとなった。シリザを率いるチプラス首相は26日、得票率予想を受けて「予想したほど伸びなかったが、戦いからは逃げない」と発言。来月2日に予定されている地方選の後に議会を解散し、9月の任期満了を前倒しして6月下旬にも総選挙を行う意向を表明した。
アテネ通信によると、シリザの得票率は24%にとどまる一方、NDは32・8%に達する見通し。NDのミツォタキス党首は「現政権に対する強力な非難であり、首相は国益のために辞任すべきだ」と述べた。
チプラス首相は、隣国の旧マケドニアとの国名をめぐる対立を、国名を「北マケドニア」に変更することで昨年に合意し、解決した。だがシリザは議会で過半数に満たず、議会ではわずかな差で承認されたものの「マケドニア」の名前が残ったことへの国内の反発は根強い。総選挙の結果によっては、国名問題が再燃する可能性も出ている。(ローマ=河原田慎一)