26日に開票された欧州議会選挙で、躍進を果たした右翼政党は、各国で地方に分け入る選挙戦を展開し支持を広げていた。フランスでは、都会との格差や公共サービスの縮小などに不満を抱くジレジョーヌ(黄色いベスト)運動の参加者をも取り込んだ。
EU懐疑派が定着、中道は初の過半数割れ 行方は複雑に
パリから約600キロの仏南部セルス。駅も病院もない人口2500人の村の公民館に5月中旬、近隣から1千人以上が集まった。右翼政党、国民連合のルペン党首の選挙演説を聴きに来た人々だ。
ルペン氏は集会で、「過疎地域の人々にとって、ガソリン代は高すぎる。マクロンが増税したからだ」と声を張り上げると、会場からは「マクロン、辞任」と歓声が沸いた。
ルペン氏は選挙期間中、フランスの小村をこまめに回ってきた。選挙パンフレットでは「EUが公共サービスを細らせ、農業を破壊し、工場を地元から国外に移転させた」などと批判。グローバル化の犠牲者を生まないよう、地方企業への支援を充実させることなどを公約で訴える。EUやマクロン氏の政策を「地方軽視」と位置づけ、地域に寄り添う自分の姿勢をアピールしている。
隣村から駆けつけたミシェル・…