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追放されたジョージア元大統領 国籍復活、再び政界へ

母国を逃れてウクライナの野党指導者になり、そこからも強制退去させられたジョージア(グルジア)の元大統領ミハイル・サアカシュビリ氏(51)が近く、再びウクライナで政治活動を始めることになった。コメディー俳優で今月就任したばかりのゼレンスキー同国大統領が28日、国籍を復活させる大統領令に署名した。


サアカシュビリ氏は2008年にロシアがジョージアに軍事介入した際の同国大統領で、ロシアへの強い対抗姿勢で知られる。13年の大統領選に敗れた後、やはりロシアが軍事介入したウクライナで当時のポロシェンコ大統領に国籍を与えられ、15年には汚職対策の手腕を買われて南部オデッサの州知事に任命された。


しかし、そのポロシェンコ氏にも反旗を翻して政界をかき回す異端児的存在に。結局国籍を剝奪(はくだつ)され、昨年2月、キエフのレストランで食事中に拘束されて、そのまま空港から国外へ強制退去させられた。


サアカシュビリ氏はジョージアでも権力乱用の罪に問われて国籍を剝奪(はくだつ)されており、今はオランダ在住。28日の大統領令を受けて29日にキエフへ向かう搭乗便をSNSで発表し、ウクライナへ「凱旋(がいせん)帰国」する構えだ。同国では7月に議会選が行われるが、「我々は大統領選で与えられた好機を逃すべきではない」と語り、ゼレンスキー氏の党を支持する考えを表明した。


ゼレンスキー氏は4月、ロシアのプーチン大統領が親ロシア派勢力支配のウクライナ東部住民にロシア国籍を与える大統領令を出したことに強く反発し、SNSで「ウクライナは自由のために戦う人に国籍を与える」などと発信。これに対し、プーチン氏が「ならばサアカシュビリ氏に国籍を返してやればいい」と皮肉っていた。(モスクワ=喜田尚)


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