世界で初めて小惑星に人工のクレーターをつくることに成功した探査機「はやぶさ2」が30日、クレーター付近への着陸に向けた目印を投下するため、小惑星「リュウグウ」に降下した。順調なら6月下旬にも2度目の着陸をする。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこの日午前11時半ごろ、はやぶさ2が目印のターゲットマーカーを放出する高度10メートルまで降下した後、予定通り上昇に転じたと発表した。目印が正常に切り離されたか確認している。降下中には、クレーター周辺の地表も断続的に撮影した。
はやぶさ2は今月16日、降下中に高度計の切り替えがうまくいかず、目印を投下する前に緊急上昇していた。今回は高度計を調整して再挑戦していた。
目印が予定通りのエリアに投下できたことが確認できれば、6月下旬にもクレーター付近に着陸して石や砂を採取する。地中で放射線や熱にさらされてこなかった、太陽系ができたばかりのころの姿を保つ試料を地球に持ち帰る計画だ。(石倉徹也)