光や電波を捉える望遠鏡や、様々な惑星探査機など、長い時間をかけて画像を撮るのが常識だった天文学に、「動画」観測が持ち込まれ、刻一刻と変化するダイナミックな現象が次々と見つかり始めた。長野県で余生を送るだけになりかけていた年老いた望遠鏡が、最新鋭の動画カメラで復活し、今年度から世界初の本格的な観測に挑む。
引退間際だった望遠鏡、最新カメラで世界初の観測開始へ
星が瞬く映像に突然、画面いっぱいの流れ星が現れた。突っ切ったあとには煙のような痕跡が漂い、風に吹かれてゆっくり消えていく。多いときは、数秒に1度のペースで流れ星が視界に飛び込んできた。
東京大木曽観測所(長野県木曽町)の105センチシュミット望遠鏡がテスト撮影で捉えた動画に、研究者たちは目を見張った。
巨大な望遠鏡に最新の動画カメ…