宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、小惑星探査機「はやぶさ2」が再着陸に向けて降下を始めたと発表した。1日かけてゆっくり小惑星「リュウグウ」に近づき、順調なら11日午前10時過ぎ、小惑星につくった人工クレーターの近くに着陸して、地下にあった砂や石を採取する。
JAXAによると、はやぶさ2は10日午前11時ごろ、高度20キロの探査拠点から降下を始めた。11日朝までに高度500メートルへ到着し、着陸に問題がないか最終判断する。ゴーサインが出れば、その後はJAXAの管制から離れ、高度計やカメラの画像を元に自ら判断して着陸する。
着陸は11日午前10時過ぎの見通し。着地と同時に弾丸を地表に撃ち込み、舞い上がった砂や石を採取して数秒の間に離脱する。着陸地点には、4月に人工クレーターをつくった際にまき散らされた地下の砂が1センチほど積もっているとみられる。地球に持ち帰ることができれば世界初となる。
ただ、はやぶさ2は前回2月に着陸した際に舞い上がった砂でカメラが見えにくくなっている。目標を見失うなどすれば、着陸を中止する可能性もある。その場合、22日以降に再挑戦するか検討する。
津田雄一プロジェクトマネージャは「いよいよこの日が来た。非常に重要なマイルストーン(節目)だが、これまで通り冷静な判断でやっていきましょう。そして明日、はやぶさ2にもう一度リュウグウを触らせてあげましょう」と訓示したという。(杉本崇)