およそ46億年前、太陽系ができたころのままの砂や石を求めて、小惑星探査機「はやぶさ2」が11日、2回目の着陸に挑んだ。放射線や太陽の光で風化していない地下の物質を地球に持ち帰れれば史上初の快挙。しかし、初代はやぶさも見舞われたように、着陸は機体を見失いかねない危険をはらむ。挑戦か、断念か。はやぶさ2はぎりぎりの判断の結果、午前10時過ぎ、再着陸に成功した。
はやぶさ2、最大局面へ 46億年前の砂や石採取なるか
宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこの日午前11時ごろ、はやぶさ2が小惑星「リュウグウ」に着陸したと発表した。リュウグウは現在、地球から約2・4億キロ先にある。電波が届くのに片道13分半かかるため、はやぶさ2は地球からの管制を離れて自らの判断で降下、予定のタイミングで着陸した。機体も正常という。
はやぶさ2は、2月にも着陸に成功。地表の砂や石を採取できたと考えられている。4月には小惑星に人工クレーターをつくり、地下の物質を掘り返す技術を世界に先駆けて確立した。
今回、地下にあった砂や石を採取できていれば、小惑星から物質を初めて持ち帰った初代はやぶさの業績をはるかに超える。
しかし、JAXA内部ではこの3カ月間、再着陸を断念して地球に帰還する案も検討されてきた。もし無理に再着陸して機体が壊れたり、行方不明になったりすれば「すでに得た成果を失うリスクがある」(津田雄一プロジェクトマネージャ)からだ。
実際、初代はやぶさは、小惑星に着陸した際にダメージを負い、重要な機器が壊れて一時行方不明になった。もしはやぶさ2が、さらなる成功を狙って冒険し、失敗したとなれば、今後控える月や火星の衛星探査にも影響が出かねない。
それでも、運用チームが「二番煎じではない、はやぶさ2独自の試み」を求めて再着陸に挑んだのは、10万回の着陸シミュレーションをして、すべて成功の結果を得ていたからだった。
機体の不調や小惑星の状況など、どんな条件でも、大きな岩のない半径3・5メートルの範囲に着陸できる――。津田さんは再着陸の方針を発表した会見で、「確かな技術があるのなら、着陸しない選択肢はない」と言い切った。
はやぶさ2は11日午前、リュ…