陸上の全米大学選手権、男子100メートルで日本新記録を樹立したサニブラウン・ハキームは「日本記録は正直あまり実感はないんですけど、今後もまだ速いタイムは出ると思っている」。よりハイレベルな環境を求めて米フロリダ大に進学して2シーズン目。充実感が漂った。
「まだ速くなれる」サニブラウン・ハキーム特集
ガーナ人の父と日本人の母の間に生まれた。東京・城西中3年の2013年、全日本中学校選手権で100メートル3位、200メートル2位と頭角を現した。
「短距離界にサニブラウンあり」を強烈に印象づけたのが城西高2年の15年7月の世界ユース選手権。100メートルを大会新で制し、さらに200メートルでも世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)の持っていた大会記録を破って優勝。同年8月の世界選手権(北京)では200メートルで、史上最年少の準決勝進出者にもなった。
さらなる飛躍のきっかけは、多くのメダリストや記録保持者を育てた米国人コーチ、レイナ・レイダー氏との出会いだ。17年夏、オランダ短距離チームのコーチをしていたレイダー氏の指導を受けるためにオランダに渡った。「今まで教えてきた18歳の中で、ハキームは間違いなく一番才能がある。伸びしろは青天井だ」とレイダー氏は太鼓判を押した。
サニブラウンは米フロリダ大へ…