昨年のジャカルタ・アジア大会の陸上男子200メートルで日本選手として3大会ぶりの金メダルを獲得した小池祐貴(住友電工)が今季も好調だ。200メートルが専門だが、100メートルでもサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)、桐生祥秀(日本生命)、山県亮太(セイコー)らと好勝負を繰り広げそうだ。
小池は先月のゴールデングランプリ大阪(GGP)の100メートルで10秒04をマークした。それまでの自己記録を0秒13も更新し、現在日本歴代7位の記録だ。「冬季練習をしっかりやったのでその分強くなったのは当たり前。GGPはそんなにいいレースではなかったが、唯一60メートル以降、上下動をなくしてブレーキを極力減らす走りができた」
昨年からの飛躍には臼井淳一コーチ(61)との出会いがある。臼井コーチは走り幅跳びの元日本記録保持者(8メートル10)で日本選手として2人目の8メートルジャンパー。1980年モスクワ、84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪の代表でロス五輪では7位に入賞している。小池は慶大3年の2016年、当時、陸上部のアドバイザー的な立場だった臼井氏に指導を頼み込んだ。「話を聞いているうちに直感的にこの人だ、と思った。臼井さんに会わなかったら陸上を辞めていた」と振り返る。卒業後はマンツーマンに近い形で指導を仰ぐようになった。
練習は最大限のスピードではな…