収束に向かいつつあるロシアの組織的なドーピング問題。だが最近になって、ロシア陸上界で新たな火種が次々と発覚している。資格停止中のロシア陸連が、9月末からの世界選手権(ドーハ)までに解除される見通しは厳しくなり、2020年東京五輪への影響も懸念される。
ロシア反ドーピング機関(RUSADA)のユーリ・ガヌス事務局長は19日、ドーピングとして禁止されている静脈注射や点滴を医師から受けた疑いで、最大で約70人の違反者が出る可能性を認めた。AP通信などが報じた。
対象の多くは、ロシア中部のスポーツアカデミー出身。同地は陸上のトレーニング施設として知られ、陸上選手のほかに自転車やスキー、パラリンピック選手も調査を受けているという。ガヌス事務局長は17日に30人以上の違反の可能性を示唆していたが、調査で倍近くにふくらんだ。
国際陸上競技連盟(IAAF)は今月9日の理事会で、ロシア陸連の資格停止継続を発表した。一方で進捗(しんちょく)状況は評価する前向きな発言もあっただけに、事実ならば痛手となる。
しかも、問題は他にもある。永…