子どもが高熱を出して泣き出したら誰しも慌てるもの。「耳が痛い」と言ってくれれば中耳炎を疑えるが、しゃべれない乳幼児だと耳鼻科に行けばいいか判断するのも難しい。そんな耳の異常をスマートフォンで調べられるアプリを米ワシントン大のチームが開発、米科学誌に発表した。
中耳炎は、耳の鼓膜の奥が細菌感染などで炎症を起こす病気で、うみがたまって痛くなったり、熱が出たりする。
チームは、スマホのスピーカーから音を出し、鼓膜で跳ね返ってくる音質の違いを解析するアプリを開発。地元の小児病院を訪れた生後18カ月から17歳の98の耳で試したところ、医師の診断と同じくらいの正確さで、鼓膜の奥に液体がたまっていることを確かめられたという。
泣き声や雑音に影響されないよう、耳の奥の音を拾いやすくする漏斗(ろうと)状のカバーを使うよう推奨している。コピー用紙からハサミとテープで作れるといい、作り方やアプリの使い方を解説する動画もつくった。アプリはiOSとアンドロイド用で、企業と協力して公開の準備を進めているという。
論文は(
https://doi.org/10.1126/scitranslmed.aav1102
)で読める。(三上元)