医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、新薬の承認審査のために専門家の意見を聴く専門協議で、2人の専門委員が申請企業や競合企業から規定を超える寄付金などを受け取っていたことを明らかにした。2人の専門委員は事前に「利益相反の問題がない」と報告していた。
規定では、申請企業や競合企業から過去3年度に年度当たり500万円を超える寄付金や契約金などを受け取っていると専門委員はできない。
1人は、ファイザーから規定を超える寄付金などを受け取っていたが、競合するバイエル薬品の抗菌薬や、アステラス製薬のリウマチ治療薬の専門協議に参加。今年2月に別の専門協議の際、ファイザーから寄付金などを受け取っていたと報告があり、問題がわかった。もう1人は、中外製薬から規定を超える寄付金などを受け取っていたが、同社のリウマチ治療薬の専門協議に参加していた。協議後にPMDAが同社に確認して発覚した。
3製品は既に承認されているが、PMDAは問題のあった専門委員の意見を除外しても結論に影響はないと判断した。(姫野直行)