沖縄は23日、「慰霊の日」を迎えた。74年前の太平洋戦争末期、壮絶な地上戦で県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦の戦没者を悼む行事が各地で予定され、沖縄は追悼ムードに包まれる。
沖縄戦では、1945年3月下旬に慶良間諸島、4月1日に沖縄本島中部に米軍が上陸。住民を巻き込んだ激しい地上戦で、日米双方の軍人、住民ら計約20万人が亡くなった。6月23日に日本軍の司令官が自決し、組織的な戦闘が終わったとされる。
時折強い雨が降る中、糸満市の平和祈念公園には朝から多くの人たちが訪れ、沖縄戦の犠牲者ら24万人以上の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」に手を合わせた。
宜野湾市の宮城勝子さん(79)は、三つの花束を持って礎を歩き回った。「一つは戦争で亡くなった父や妹たちの分。あとの二つは夫の家族や親戚たちの分。夫や兄弟たちは高齢になって足腰が弱り、今年は親戚を代表して自分1人で来ました。もう戦後74年も経つのですね」と話していた。