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1年前知った夏の重み、味わった 「勝ちたかった」と涙

(10日、高校野球青森大会 弘前10―4むつ工)


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四回表のむつ工の攻撃、1死二、三塁。この回1点を返して同点に追いついたあとの打席に、駒木根昇馬(2年)が入った。


「絶対自分でランナーを返す」。高めの変化球に反応した打球は、逆転の走者を迎え入れる犠牲フライになった。


この日は三回にも適時二塁打を放ち、2打点の活躍。だが、捕手としては苦しい試合になった。


一回は無失点で切り抜けたが、二回に3点を先行された。自身の犠牲フライで逆転した後の四回裏、集中打を許して再度試合をひっくり返された。


もともとは一塁手だった駒木根は、チームに捕手がいなかったことから入部直後に転向した。1年前の夏、敗戦で悔しがる先輩たちの姿を目の当たりにして、夏の重みを知った。


エースの布施雄大(3年)と配球などを徹底的に話し合って迎えたこの日の試合。劣勢のまま迎えた七回の攻撃では流れを呼び戻そうとバットを振ったが、内野フライに倒れた。


「どうしても勝ちたかった」。試合後にそう言って、赤くなった目を押さえた。1年後の夏、もっと強くなって、今度こそ先輩に恩返しをしたい。(仲川明里)


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