元ハンセン病患者の家族への賠償を命じた熊本地裁判決について、政府が控訴を断念したことを受け、ハンセン病家族訴訟の原告団は12日、控訴を見送ることを決めた。地裁判決が確定する。弁護団共同代表の徳田靖之弁護士が12日午後の会見で明らかにした。
判決は6月28日、国の責任を認めた上で、元患者家族561人のうち、20人を除いて総額3億7675万円の支払いを命じた。20人については「2002年以降に被害が明らかになった」として賠償の対象と認めなかった。
原告側は判決後、請求が棄却された20人を含む被害者全員を一括一律に被害回復する制度の創設を要求。その協議が12日までに始まらない場合、20人については控訴する可能性があるとしていた。